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福井県庁防災課

業務内容(防災課)

福井県内で災害が発生した際の、県民の生命や財産の確保のため、関係機関と協力して情報収集し、対応方針を決定して対応をおこなう

利用用途

災害発生時の現場状況を把握

スペクティを導入したきっかけ

2018年2月の豪雪で、現場の情報を入手するのに5時間かかった

県庁では災害発生時には、災害による人的被害、物的被害などの情報収集が求められます。ですが、一般的な救助案件であれば、福井県警や県内消防、海難事案等であれば敦賀海上保安部など、複数の機関を仲介するために情報が錯綜したり、電話で連絡を受けることが多いので、現場の写真や映像の入手が困難という課題を感じていました。そこで、一般の方からの情報を入手したいというニーズがありました。

2018年2月に福井県を中心に北陸では大雪となり、福井市では140cmを超える積雪を観測しました。その際に、福井県の交通の要である国道8号がスタック車による長期間の停滞を起こしたのですが、その情報を国交省から県が入手するのに5時間以上要したことがきっかけの一つとなりました。

イメージ。プレゼン資料より勝手に抜粋(使用許可確認)

スペクティの利用シーン

大きなモニターで随時表示。最新情報をひと目で確認

現在は、防災担当部署と土木部署で利用しています。防災担当部署ではテレビにSpecteeの画面を常時表示する形で、福井県と近隣県の石川県・富山県・滋賀県などを表示しています。道路災害などでは、福井県にも影響がある可能性があるためです。

職員の目につく場所にモニターを設置しているので、更新がされているかどうか常に確認できる状況です。Specteeで情報を入手した際には、事象が発生した地域を所管する市町、消防や県警などに連絡し、覚知しているかをまず確認し、第1報の場合には事象の真偽について、市町・消防に確認します。Spectee上に写真や動画がアップされていれば、必要に応じて知事や部長などに報告をし、事象が現在進行中の場合には、県職員が現場で情報収集をおこなっています。

現時点では導入してからは大きな災害は発生していないのですが、2019年6月に永平寺町で工場火災があった際に、Specteeに火災現場の写真が配信されていて、幹部職員への報告がスムーズにおこなわれたと聞いています。

スペクティを導入してみて

ビジュアルデータを迅速に入手。現場に状況確認に行く頻度が減った

県庁内で災害の情報を共有する際には、死傷者の有無に加えて、現場の写真が必要となります。これが、市町や警察・消防からの情報であった場合に、相手方も現場対応などで忙しくお願いもなかなかしづらいですし、入手できても災害発生から1時間以上経ってからということも珍しくありません。

これまでは、特に大規模な火災が発生したという情報があった場合には、情報収集に職員が向かっていました。
その職員の役割は、

  1. 現場の写真を県庁に送る
  2. 災害への対応状況の確認(鎮火はいつかなど)
  3. 県に対して応援要請があるかの確認
といったことが挙げられます。もちろん、大規模災害時は写真撮影以外の役割もあるので、どうしても現場に行く必要があるのですが、Specteeの導入によって、比較的小規模な事象であれば、現場に行く頻度は減っていると思います。

また、最近追加された地図表示機能も、紙の地図を開く手間が省けるようになったので助かっています。これまでは、住宅地図を開いて確認をおこなっていましたが、第一報は口頭で場所を聞くことが多く、土地勘がないと住宅地図のどこかを探すのにも時間がかかるため、Specteeのサービス上でだいたいの場所を確認できるのはありがたいです。

道路管理者が異なる道路の情報をすばやく入手

高速道路、国道、県道、市町村では道路管理者が異なります。そのため、道路管理者をまたいだ情報に関しては、道路規制をおこなうまでなかなかあがってきません。地方では自動車利用率も高いので、大規模な交通事故や土砂崩れ、浸水といった道路の障害情報がSpecteeで確認できるため、県道の管理者としての対応をすばやくおこなうことができると感じています。

これまで県として特段の対応を行った事案ではないのですが、北陸自動車道において大規模な事故が発生し、通行止めになったという情報をSpecteeで覚知したということはありました。

2018年2月豪雪の際には、NEXCO中日本、国土交通省、福井県で通行規制の情報を共有できていなかっという点が課題でしたので、ほかの道路管理者に起こっている事故などの情報が得られるのはありがたいです。

今後の展望

SNS利用率が低い地方。クローズドな情報の収集もできれば

災害時における一般の方からのSNSの情報は役立っている一方で、地方では、SNSのユーザーが少ないという実情があります。そこで、今後はLINEなどのクローズドなツールの情報も収集・分析が可能になれば、よりリアルタイムで現場の状況が把握できると考えています。

また、現在県ではメーリングリストでの情報共有から、オフィシャルにはMicrosoft Teams、非公式にはLINEに随時情報共有の方法を移行しています。LINEでは、災害対応用のグループを作成しているのですが、例えばそこに、Specteeから速報通知が投稿されると、一気にグループ全員に情報共有ができ、またその事象に対する対応の議論がLINE上でスムーズにできるのでは、と考えています。Specteeのようなサービスを導入したり、LINEを活用することで、災害時の現場の状況把握と初動がより早くなることを期待しています。